他の施工法との比較 部分メッキ 港メッキ工業所

SIFCO プロセスによる肉盛り補修と溶接補修との違い

メッキ肉盛り補修の場合の工程

現場の養生
 メッキ前の表面の研磨
 メッキ加工
 メッキ後の表面の研磨
上記4工程がメッキで補修した場合の工程である


溶接の場合の工程 
 現場の養生
 溶接前の表面の研磨
 溶接前に母材の温度を溶接する際に近い温度まで上げる
 溶接作業
溶接後の表面の研磨


メッキと溶接での決定的な違い
1.メッキは加工時の最大温度が60度程度だが、溶接の場合は最低でも200度以上の熱(溶接前に)が母材にかかり、また作業中に1000度以上の熱を部分的に加えるため溶接部分に残留応力が残り、熱歪みの原因となる。よって高い寸法精度を求められる製品の場合、溶接による補修作業は厳しいかと思われる

2.メッキ、溶接、それぞれの加工後の表面状態について。メッキでの補修の場合、ミクロンオーダーでの肉盛りが可能だが、溶接の場合、膜厚、寸法調整が難しい。レーザー溶接などは、高い寸法精度での溶接が可能だが、現場での補修は困難であり、また、対象物の大きさにもかなりの制限がある

3.加工後の表面の研磨について。メッキの場合、ミクロンオーダーで必要な部分のみにメッキがされているため、溶接に比べ、メッキ面の周りの部分と、メッキ面の表面の簡単な鏡面研磨で済むが、溶接の場合は母材の冷却、そしてミリ単位で盛られた部分の研磨(荒研磨から鏡面研磨、黒色化した部分の仕上げ等)と、かなりの時間を必要とする

4.加工に要する時間について。メッキの場合、作業にかかる時間は、補修面の面積.膜厚によって異なるが、メッキと研磨で1日から2日で完了する、溶接の場合は補修部分の大きさによっては加熱.溶接.研磨と一週間近くかかる場合もある


実際のメッキと溶接の作業日数例
愛知県タイヤメーカーのシリンダークラック補修の場合

当初はメッキのみで、すべてのクラックの補修を行う予定であったが、クラックの状態が実際には、かなり深かったため溶接で途中まで埋めて、その後、メッキ(メッキ金属はクロムメッキされたシリンダーに溶接してからNi-Wニッケルタングステン合金を500ミクロン)を行った。

溶接に掛かった時間は、24時間フル稼働で約4日間、メッキ作業はメッキで一日、仕上げ研磨で半日と、溶接の3分の1の時間で作業が終了した。

この工場の場合、年末年始、お盆、ゴールデンウイーク等の、まとまった休み以外は、24時間フル稼働で動き、休み時に一斉に工場内の点検整備を行っているが、仮にそれ以外の期間で補修作業をしなければいけない場合でも、メッキ補修は短期間での施行が可能なため、週末の土日を利用しての補修などで工場内のダウンタイムが大幅に削減される

上記4点と施行例からメッキによる補修は時間の短縮、そして補修の簡便性が大きな特徴である